「運動する時間はないけど、ダイエットしたい・・・」
「食べることが大好き、運動は嫌い、でも痩せたい!」
とにかく楽に痩せたい。これは万人の願いですよね?
実は、食べる時間を変えるだけでダイエットできる可能性があります!
「時間栄養学」という学問に基づいた考え方です。体内時計とか言われるやつです(厳密には違いますが)。
痩せることができる理由は、実際にこの分野の研究で、食べる時間によって痩せる、あるいは太る、ことが分かったからです。
このことは『時間栄養学が明らかにした「食べ方」の法則』で解説されています。
- 著者は早稲田大学ナノ理工研究機構招聘研究員の古谷彰子さん
- 監修は早稲田大学理工学術院先進理工学 電気・情報生命工学科薬理学研究室教授の柴田重信さん
この記事では、体内時計と食事の関係について解説します。
この記事を読むと、不規則な生活リズムになっている原因が分かります。そして、食事により、正しい生活リズムに戻す方法が学べます。
結論は、食べる時間はもちろんのこと、食べるものや量によって体内時計を調整できるということです。
夜になっても食欲が止まらないのは時計遺伝子の働きがおかしくなっているから!
詳しいことは書籍にて、図解などでまとめられていますので、そちらを参考にしてください。
ここでは、簡潔に解説します。
私たちは時計遺伝子というものを持っています。これらの遺伝子が正しく機能することで、朝になるとお腹が減り、夜になると眠くなり、寝る。
しかし、夜更かしや欠食などにより、体内時計が崩れると、これらの時計遺伝子も正常に動かなくなります。
本来はPer(Periodの略)3という遺伝子が、夜に無くなってしまうと食欲が増進され、食べ始めると止まらなくなるのです。
さらに、Bmal1(Brain and Muscle Arnt Like Protein 1)とClock(Circadian Locomotor Output Cycles Kaput)という時計遺伝子が夜に増えることで、食欲が落ちます。
しかし、これらが欠損すると食欲が止まらなくなり、一気に体重が増え、太って、病気につながってしまいます。
こうならないように、私たちは体内時計が自然な状態を保てるように生活を整えなければならないのです。
体内時計を整える方法は食事内容や量によって変わる!
体内時計を自然な状態にするために、よく聞くのは「太陽光を浴びる」ということでしょう。
もちろん、これによっても体内時計はリセットされるのですが、夜型に変わってしまっている方には朝起きるのは辛いですよね。
そこで、食事によるアプローチも考えます。
マウスを用いて一日2食を与えた実験にはなりますが、餌の総量は同じという条件で以下のように比率を分けました。
- 朝食:夕食 = 1 : 3
- 朝食:夕食 = 2 : 2
- 朝食:夕食 = 3 : 1
すると、朝食の方が多い場合は朝型にシフトしていき、朝食と夕食が同量の場合はほとんど変わらず、夕食が多い場合は夜型にシフトしました。
さらに、マウスの実験で3食の実験も行いました。実験条件は私たちがやってしまいがちな食行動になっています(深夜に完食してしまうなど)。
その結果、
- 朝:7時
- 昼:13時
- 夜:19時
この時間に食べることで、ほとんど体内時計はズレませんでした。
とはいえ、私たちは忙しいので、これらの時間に食事を取れないこともあります。
特に夜は残業などで遅くなることもあります。
そんな時は、「分食」がおすすめです。
18時 あるいは 19時くらいに炭水化物系を食べます(おにぎりなど)。そして、帰ってきてから、肉・野菜などのおかず系を食べます(量には注意)。
こうすることで、体内時計に大きな影響を与えることがありません。
ちなみに、先に炭水化物系を食べるのは糖質をエネルギーに変え、活力を増やして仕事をするためです。
そして、最後に、とても大切なことがあります。
マウスによる実験で糖質、タンパク質、脂質をバランス良く摂ることで、体内時計が動くことが分かりました。
さらに、糖質の中でもGI値が高いものが動きやすいことが分かったのです。
ここで「GI値が高いものはインスリンの分泌により、ダイエットには向いてないだろうがあああ!」という声もあると思います。
この書籍では、「体内時計を動かすには」という観点で考えているため、切り離して考えてください。
なので、時間栄養学的には「朝はGI値が高い食べもの、夜はGI値が低い食べもの」を摂ることが望ましいと言っています。
さらに、糖質の中でも穀類なのか、芋類なのか、で体内時計の変化は違いました。
穀類の方が大きく動いたのです。つまり「日本人が朝食に白飯を食べるのは良い」ということですね。
そして、脂質である「魚油」についても体内時計を動かすことが分かりました。そして、こちらは即効性もあることが分かったのです。
魚の脂質はダイエットにおいても「良い油」と言われていますからね。積極的に摂りたいですね!
著者も言っていますが、体内時計を動かすから良いとか、動かさないから悪い、ということではありません。
自分の体内時計を考えたときに、何を摂取するのが適切なのかを考え、食べてほしいのとことです。
まとめ
体内時計が乱れていることが太る行動を引き起こしていることが分かったのではないかと思います。
そして、体内時計は食べる時間はもちろんのこと、食べるものや量によって体内時計を調整できるということです。
簡潔に正確に、まとめましたが、省いているところもありますので、深く知りたいと思った方は是非書籍を読んでみてください。
より詳しく図解を用いて分かりやすくまとめられています。
他にも、食べる時間や物を変えることで、時差ボケやシフトワークにも対応できることが解説されています。
気になった方は是非参考にしてください。